敗血症

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敗血症とは

敗血症とは、感染症がきっかけとなって体の様々な臓器の機能が障害される、重篤な病態です。障害される臓器は心臓、腎臓、肺など全身に及び、重症化した場合は集中治療室などでの専門的な治療が必要となります。敗血症のなかでも、全身の血液循環が障害される敗血症性ショックという病態は特に重症であり、速やかな全身管理が必要になります。

世界では、毎年約5,000万人の患者が発生し、1,100万人が敗血症により死亡しているとの報告があります。(Lancet. 2020 Jan 18;395:200-211.)日本国内では、年間に30万人以上の敗血症の患者さんが発生し、約1/5の方が亡くなられるという調査結果があります。

原因

敗血症の原因となる感染症は、肺炎、腹膜炎、尿路感染症など様々です。また、感染する微生物も細菌、ウイルス、カビなど様々ですが、細菌(バクテリア)による感染が頻度高く認められます。免疫機能が低下した高齢者は敗血症の発症、重症化のリスクが特に高いですが、新生児から成人まで年齢、性別を問わず敗血症になる可能性があります。

治療法

敗血症に対しては、抗菌薬の投与、手術による感染部位の除去など病気の原因に対する治療と併せて、輸液、血圧を上昇させる薬の投与などにより全身の血液循環を回復させる治療が行われます。病状に応じて、過剰な炎症反応を抑制する薬、血液凝固障害を改善する薬などの投与も行われます。併せて、臓器障害に対するサポート治療として、人工呼吸器による呼吸補助、腎臓の機能を補助する人工透析などが行われます。

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